みなさん こんにちは!
5月の東京都区部の消費者物価指数は、生鮮食品とエネルギーを除いた総合指数で3.9%の上昇と、4月の3.8%から伸び幅が拡大しました。
これは1982年4月の4.2%以来、41年1カ月ぶりの高水準です。
これから物価はどうなっていくのでしょうか。そして給料は?
今回は、2022年11月に開催された朝倉慶さんのセミナー「インフレは止まらない!」を要約してみました。
iDeCoなら松井証券iDeCoで節税しようなぜインフレになったのかということが問題です。2020年を振り返ってみましょう。
その年は、世界的に大きな経済的な影響を受けた年でした。日本も10万円給付など、大規模な財政出動を行いましたし、アメリカも膨大な金額を配布しました。
当時のパウエルさんは「課題を選んでる余裕などなかった。宿命と歴史が我々に課題を提供した」と語っていました。
つまり、コロナの影響で何もできない状況にあるのだから、アメリカは預金を持っていない人々にお金をばらまかなければならなかったので、そのために、財政出動や金利の低下、ジャンク債の購入など、様々な施策が行われました。
例えば、航空会社は誰も乗らなくなって倒産の危機に瀕していましたが、ジャンク債を購入することで経営を支えました。
また、中小企業にも資金投入が行われました。日本でも同様の対策が行われました。
コロナの影響で大量の資金供給が行われたわけです。考えてみれば、インフレにならない方がおかしいのです。
その前といえば大量の資金を配りながらも、リーマンショックの時以降はインフレ率が上がらなかったのです。
インフレしようとしても、一生懸命やっても上がらない。そのために大量の資金を使って様々なことを試しましたが、結果は全く変わりませんでした。
そんな中、コロナが発生しました。
アメリカも国債をたくさん発行しました。大丈夫だろうという期待がありました。
なぜかと言えば、日本が大丈夫だったからです。
日本の国債発行残高はGDP比率で230%(太平洋戦争当時と同等水準)ですが、やっても全くインフレにならず、前例があったからです。
リーマンショックの時の5倍も近い現金を印刷して配ったのですから、常識で考えればインフレにならない方がおかしいのです。
楽天最近、物価の上昇が目白押しとなっています。忘れてはならないのは、消費者物価は3.6%と言われているものの、ガソリンには3兆円もの補助金が投じられています。
政府の助けがあって本当に良かったなと思っています。しかし、驚くべきことに、お釣りが来るどころか、むしろインフレが日本全体に広がっているようです。
これからはお金を受け取ることが良かったと思っても、実際にはインフレというお釣りが倍以上になって返ってくる可能性があるということです。
日本の予算を見ていると、単純に見ても驚くべき変化があると感じます。
2020年には皆さんが覚えているかもしれませんが、新規国債発行額は108兆円でした。
そして2021年度では、補正を含めて142兆円、新規国債発行額は57.7兆円に達しました。
さらに、2022年度では132兆円の予算となり、新規国債発行額は62兆円にもなりました。
この数字はとんでもないものです。
日本の借金は返せないと、確実なことだと思っている人は多いのです。
しかし、日本は大丈夫だという人もいます。なぜなら、日本には資産があるからだと言っています。
しかし、限界点は必ず訪れます。私たちはこれまでずっと予算を増やし続けてきたので、いつか限界点がやってくるのです。
アメリカは金利を4%まで上げることができましたが、日本も同じことをすれば国債の利払いで税収を使い切ってしまいます。
つまり、今のところ金利を上げられないのです。
インフレは自己増殖するスパイラルとも言えるものです。
政府が大量の国債を発行し、それが信頼されている限りは問題は起きませんでした。
しかし、人々がマネーの価値が下がると感じると、ますますお金を使おうとするため、インフレが始まってしまうのです。
そして、現在の日本は財政インフレの始まりだと考えています。
つまり、財政に対する危機が本格化し、インフレが進行していると思うべきだと言いたいのです。
インフレはゆっくりと長い間進行するものですから、最初は気づきにくいのかもしれません。
まず第一段階では政府が大量の国債を発行しますが、信頼されているために混乱は起こらないという状況が続きました。
しかし、第二段階では様々な矛盾が表面化しました。例えば、海外からの物品価格の上昇や、政府が短期で大量の資金を必要とする事例などです。
そのため、補正予算や国債発行が加速し、インフレの流れが始まったのです。
ただし、まだ完全なインフレに至っているわけではありません。
しかし、最終段階ではマネーの価値がなくなり、インフレが悪化することで、人々は政府に対して信用を失い、実物資産への殺到や資本の海外逃避が起こることになります。
この段階まで進んでいないものの、私は第二段階に来ていると思います。
言いたいことは、インフレはゆっくりと長い間進行しているということです。
過去10年間は、日本ではインフレは起きていなかったのです。
そして、きっと賃金は上がってくると思うんです。このことについて詳しく話していきたいと思います。
現在、多くの企業が蓄えた内部留保と安定した財務体質により、着実に利益を上げています。
しかし、一方で私たちが直面しているのは、インフレ率が上がっているという現実です。
私は、このインフレに対応するために、賃上げが必要だと考えています。
例えば、トヨタなどの大企業は過去最高の利益を達成しており、国の期待に応えるべきです。
また、インフレの進行に対応するためにも、賃上げが不可欠なのです。もし賃上げを行わなければ、従業員たちは生活が困難になってしまいます。
私たちの国の企業は、社会的な責任を果たすべきなのです。
確かに、賃上げが実施されれば、中小企業にはプレッシャーがかかるかもしれません。
しかし、そのプレッシャーによって賃上げが必要不可欠な状況に追い込まれているのです。
もちろん、賃上げによって格差が生じる可能性もありますが、現在のインフレ状況を考えると、企業は利益を上げており、賃上げは避けられない選択と言えるでしょう。
また、賃上げの波は全国的に広がることが予想されます。
一部の企業が賃上げを実施したことを受けて、他の企業も追随せざるを得ない状況になるでしょう。
賃上げによって賃金が上がれば、次は企業側が値上げせざるを得なくなります。
これはまさにインフレスパイラルと言えるでしょう。
日本では、賃金が上がらないという誤解が広まっていますが、実際はインフレが進行しており、賃金の上昇でますますのインフレが加速することが予想されます。
(※上記の内容は2022年11月に開催された朝倉慶さんのセミナーでのものです。)
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